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お金くれるパパ

帰りの私鉄の電車は込んでいた。私は座席の前に立っていた。私の隣に立っている男が居た。結構な年齢で私の父親位の歳か。誘えば、すぐおかねくれるパパになりそうな感じの男だ。

その男の前の席が空いた。するとその男は、私の前に手を動かして、どうぞと言いながら、その席を譲ってくれた。私はその男の目を見て、良いですかと言い、頭を少し下げてから座った。
しばらくそのままで座ったいたが、ふと目を上げてその男の顔を見た。するとその男も私の顔を見ていた。

男が言った。「どちらまで行かれるんですか」。来た来た、おかねくれるパパの最初のジャブである。私は後15分ほどで着く急行停車駅の名を告げた。
「ああ、あそこへは良く行くんですよ。おいしいイタリアンの店がありますよね」と男が言った。「何かの縁ですから、一緒に降りて行きませんか」

しかし先ほど見上げた男の顔は、私を見下ろすその目に、なんとも言えない色気を感じたのは事実だ。普通、その様なみんなの前での誘いの場合は断るか、無視するのであるが、ためらいが生じてしまった。
その時男は私の心に最終的な言葉を刺した。「クワロト・フォルマッジがうまいんですよ」。

あのパルミジャーノ・レッジャーノ、タレッジョ、モッツアレッラ、ゴルゴンゾーラのハーモニーは大好物だ。どれもチーズ特有の臭みがあるが、その臭みに個性があって、臭みと、甘味と旨味が混ざり合って、食べる時に完全に鼻で味わうピザである。おかねくれるパパのストレートであった。

電車を降りて店について行ってしまった。

ワインを飲みながら、プリモ、セカンド、ドルチェと進んだ。そこで、男はグラッパをボトルで頼んだ。相当アルコール度数の高い酒である。ストレートで飲む。
男は私が一杯飲むたびに、テーブルの下から五千円札を渡した。「さあどのくらい稼げるかな」と言って、グラッパを私のグラスに次いだ。
お金くれるパパ

ついにおかねくれるパパになってしまった。

ボトルは空になってしまった。男は最初のグラスがまだ空いていない。私の手は五千円札っを8枚も握っている。頭がうまく回らない。
トイレに行こうと思い、「トイレはどこですか」と言う代わりに「ホテルはじょこですか」と言ってしまった。

イスから立ち上がり、一歩前に足を踏みだした。次の瞬間よろけて、その場に座りこんでしまった。女性店員がトイレに案内してくれた。

家までタクシーで送ってもらうのは、親が見ているので避け、結局男とホテルに入った。
体中舐めつくされ、味わい尽くされた。私は固くなる女の部分を吸われて、舌で良いリズムで刺激されると、それだけで頭が後ろにそり、足の指が曲がって、体全体が痙攣する。

それを3回もしてしまった。男はそんな私を見て、けっこう驚いていた。

ホテルを出る時に、「また会いたいと」と言って、しゃれたハンカチに包んだ5万円を私に渡した。男はたくさんおかねくれるパパであった。

別苺
割り切り